釣りにまつわる不思議体験 ~人ならざる者か否か~

おはようございます、ふく郎です。

できるだけ当時を思い出して書いてみます。


渓流ルアー釣りからの帰路

21年前の体験談。
もはや昔話になってしまっていることに少々驚いてしまったが続けよう。

当時のふく郎はバス釣りに熱中していた。八郎潟や野池は何を投げても釣れる時代。
スピナーベイト一つ持って行き何も考えず投げて巻いていれば10本や20本の釣果は当たり前で、
遠方にもかかわらず休日の度に足しげく通っていた。(あの頃はガソリン安かったなぁ…)

そんなある日、勤めていた大手釣具店チェーンのF店長に誘われ、
A県MY山にあるUTN沢へ渓流ルアー釣行したことがあった。

正にビギナーズラックか、40cmを超えるデップリとした体形の大イワナを、
megabass:X-70SP バスカラーで仕留めることができた。
細い支流、いや沢と呼べるほどの小さな流れを遡行してゆくうちに立ちはだかった深い深い淵、
トゥイッチングに反応する小イワナを押しのけ喰ってきた大イワナのバイトシーンはスローモーションで見えた。
きっとこの拙な生涯を終えるその瞬間まで忘れることは無く、脳に焼き付いて離れないと思う。

大の大人二人で「メジャーが無くて残念」「おれが投げていれば」「一生に一度出会えるかどうかの魚だった」
などなど、古いハイラックスの車中で興奮冷めやらぬままに大いにはしゃぎながら帰路に就いた。

その帰途に、事は起こった。

夜半の上り坂カーブ

家路の途中で道の駅やコンビニ、ゲームセンター等々に寄り道を繰り返し、気付けば午後9時を過ぎていた。
休日をみっちりと遊びきり、疲れからほぼ会話も無くなった。

近道をしようと国道から県道へルート変更。
民家はおろか街灯すら無く、周囲は杉林が延々と続く曲がりくねった道。
渋滞がちな国道を通るより断然早く〇〇市内へ入ることができるため、この道路を通行する車はこの時間でも少なくない。
この日も前後に車が数台ずつおり、車列を組み時速40km程度で進んでいた。

女の子

県道入口から2kmほどで5~7%ほどの勾配(登り)と左カーブが複合する場所に差し掛かった。
そのカーブを通過している最中、左側の歩道付近にいきなり人の姿が目に飛び込んだ。

イメージです。相変わらずプロンプト作成がヘタすぎる。実際は右ハンドル車で、女の子はもっと幼い感じだった。

なんと女の子が歩いていたのだ。
通学帽は被っていなかったが、ランドセルは背負っていたので恐らく小学生だろう。
バックミラーで確認しようとしたが、曲道だったためすでに映ってはいなかった。

運転している支店長も視認していたようで「えっ!?…え?」と驚いていた。
ふ「子供…でしたよね?」

一番近い民家まで3~4kmほどの場所だ。
日中ですら歩行する者のいない道路で、さらに時間は午後9時過ぎの真っ暗闇。

この近辺に小学校はおろか公的施設等も一切無くバスも通らないため通学路という可能性は非常に低い。
子供のいたずらや悪さを戒めるための一時的な置き去りだったとしても、あまりにも酷で危険極まりない。
そうだったとしても、ランドセルは背負わせるか?
車の通行量はそこそこあるのに、親切で乗せてあげる人はいなかったのか?

ついさっき見たアレが生身の人間だという可能性を車中で話し合い考察したが、どう考えても無理だった。

そしておいらとF店長の二人共が、ランドセルや服の色を憶えていなかった


終わり

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