こんにちは、ふく郎です。
今回はフィッシングウェア各種の劣化について解説。
その中でも素材として使われることの多い「透湿防水」これについて掘り下げてみます。
シューズやウェーダー等のフットウェアにも当てはまる内容です。
購入から3~4年以上経っているウェアを持ってたら、ぜひ読んでみてください。
透湿防水素材とは
透湿防水素材
まずはウェアの素材のお話から。
汗やその他水分の蒸気をウェア外に放出しつつも外からの浸水を防ぐ機能を「透湿防水」と言います。
文字通り「湿気は通すが水滴は防ぐ」、野外での仕事やレジャーをする人にとってとてもありがたい機能。
GORE-TEXはこの筆頭と言える素材で、ご存じの方は多いはず。
こういった透湿素材はフッ素樹脂で作られており、「メンブレン」と呼ばれてます。
メンブレンにはすっげー細かい穴が無数に空いてて、これによって水滴は通さないけど湿気は通す機能を実現しているのだ。
- DAIWA 「レインマックス」
- SHIMANO 「ドライシールド」
- 双進(リバレイ)「アクアマックスシュプリーム」
- Colombia「オムニテック」「アウトドアドライエクストリーム」
- MAMMUT 「マムートドライツアー」
ざっと書き並べましたが、こんな感じで各社は透湿防水の機能や素材そのものに名称を設けて独自性をアピールしてることが多い。
本質は大体同じだけど各メーカーには買いやすい価格帯から高級品まで様々なウェアがラインナップされている。
これについては次の項目【なぜ価格が違う?】でお話しよう。
なぜ価格が違う?
同じ透湿防水なのになんでこんなにお値段の違いがあるのか?と思いますよね。
メーカーが違うから当たり前じゃん、と思われるかもしれないし間違いではないです。
しかし、簡単にそうとは言いきれない理由がある。
当たり前の話になっちゃうけど、その理由とは「質」の違い。
その質についても少々説明します。
メンブレンの良し悪しを見分ける一番簡単な方法は、耐水圧等のスペックを確認すること。
名の通ったメーカー品であれば
「耐水圧:〇〇,〇〇〇mm」「透湿度〇,〇〇〇g」と、タグに表記しています。
小雨程度+涼しい環境であれば「耐水圧10,000mm 透湿度5,000g」この程度で充分。
買いやすい価格帯にはこのくらいの物が多い。ふく郎のウェアもこのくらい。
土砂降り+蒸し暑い状況なら「耐水圧20,000mm 透湿度8,000」このあたりが基準になってくる。
ゴアテックスやレインマックスハイパー、ドライシールドプラスあたりの上位品はこのスペックから上。
中でも突出してるのはやはりゴアテックスでしょう。
ダイワやシマノの最上級ウェアはどれもゴアテックスを採用してるってことは、そういうことですね。
数値が高ければ高いほどメンブレンのモノが良いことになります。
ぜひこれを確認しつつウェアを選んでみてください。
透湿防水だからといってチャイニーな安物を買うと銭を失いますぜ。
素地を貼り合わせて作っている
透湿防水膜「メンブレン」は単体では使えません。
耐久性のある生地を表面、又は表裏の両面にも貼り合わせることでようやくウェアやウェーダーの縫製に使う素地が出来上がります。
2レイヤーや3レイヤーなど良く目にする言葉。
このレイヤーとは、何枚の素地や膜を貼り合わせて作った生地なのかを表してます。
2レイヤーは表地とメンブレンの2枚で構成。素地はしなやかで着やすいが裏地はメンブレンむき出し。
3レイヤーは表地とメンブレンに裏地も加えた3枚で構成。丈夫だ素地はゴワゴワしがち。
2.5レイヤーという、メンブレンの裏側に加工を施すことで耐久性を持たせた物もあり、これは2と3の良いとこ取り。
着心地優先なら2レイヤーを、耐久性を求めるなら3レイヤーを、その間を取って2.5レイヤーを。
大まかだけどこんな感じで選ぼう。
本題:劣化・寿命
前置きが長すぎました。ようやく本題に入ります。
結論から書こう。
- 高温多湿等の環境による接着剤へのダメージ
夏の車内が特に最悪で、素地の寿命を大きく削ります - 素地の折れ曲がりや伸縮、擦れでのダメージ
動きの多い釣りは腕部の劣化が進みやすい
この2点がウェア劣化の主な原因です。
上記項目でお話したように、生地は貼り合わせて作っている為、それに使う接着剤の劣化はウェアの寿命に直結するということ。
貼り合わせた生地が剥離してしまうと、その部分の透湿性能・防水性能が著しく損なわれてしまう。
メーカーや釣具店員はお客にコレ言わなかったりする。おいらは普通に接客で教えてたけども。
たとえ新品で日の当たらない場所に保管していても経年と湿度が悪さをし、少々の劣化は生じる。
だからこそ、【新調する際のコツ】の項目で書きますが、「いつから在庫してるか不明なウェアはできれば避けたい」のです。
透湿防水機能のあるウェーダーやシューズも同様の理由で劣化します。
生地だけでなく本体とソールも貼り合わせてるから、使用頻度によってはソールが先に剥がれてしまうケースも少なくありませんね。
ちなみに渓流ルアーフィッシングが好きだった同僚スタッフは、当時1年ごとにシューズを買い替えてました笑。
新調する際のコツ
ウェアは季節物で、常に作り続けている訳ではありません。
釣具業界は市場の規模が特に小さいことから、どのメーカーも在庫を抱えるリスクを避けるためです。
「来年コレとコレとコレ作りますよー。どのカラーを、どのサイズを何着注文しますかー?」
と、小売店へ注文書が送られてくる。
これで受注した分+少々を生産してその年は終了というメーカーや商品がほとんど。
釣り業界に限った話ではないと思うけどね。
小売店側も、その年のシーズン中に売り切ってしまえる数だけを注文する。在庫抱えたくないもんね。
なので、店頭に売れ残って1~2年経っているという商品はそれほど多くはないはず。
仮に売れ残ったとしても、その商品を小売店から引き取ってくれるウェアメーカーがいくつかある。
「10万円分引き取るから、その代わり15万円分注文してね!」みたいな条件付きだけどね。
自社製品がずーっと売れ残ってたらブランドのイメージダウンになるし、小売店や消費者にとっても喜ばしいサービス。
購入者は新しい品を買えるし、小売店も不良在庫を抱えることなくラインナップを一新できる。
超ハッピー。
こういった理由から、ウェア各種については実店舗で買えば間違い無いというのがふく郎の意見です。
コツってほどでも無かった。
一方、ネットで買うウェアはいつから在庫してるものなのか全くもって分からないのがちょいと怖い。新製品は別として。
試着なんてできるはずもないからサイズ感も不明で、カラーだって実際に見るのとでは違ってくる。
ウェアのネット購入に関してはこういった不安要素が付きまといがち。
ただし、今まで着用してた物のと同じ商品ならばそれは全然アリでしょう。安く買えるんだし。
まとめ
透湿防水ウェアは優秀だが寿命に限りがある
ウェアは実店舗で買おう
まとめのオマケ
こんだけ書いておいてなんですが、劣化について神経質になりすぎる必要はありません!
釣り専用として売られているウェアに関してはそれに見合った耐久力を持ってるからね。※安すぎる物は別!
特に一定額(メーカー希望小売価格2~3万円)以上のウェアに関しては長寿命に期待できる品質が担保されています。
ご覧いただきありがとうございました。
ではまた!

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